―精霊の祖の恋物語― 前編





「…なんだ?

 さっきから俺を凝視して…?」


俺がそう言うとごめんなさいっ。

と言って目を逸らした。


リリーは、その後…


遠慮深そうに言った。


「あの…私も一緒に行ってもいいですか?」


「大丈夫なのか?」


「リヒト君や、リヒト君の家族の方に

 何かあったら、怖いので……。

 
 大人しく待ってることなんて

 できない…です。」


また少し、リリーは震えだしたので

俺は落ち着いてもらいたいと思い、

優しくリリーを抱き寄せた。