「なんだろう?」
窓から下を覗いてみると、校門にできていたのは謎の人だかり。校門で何かが起こってるみたいだけど…
「行ってみる?どうせもう帰るところだし。」
「え?明希、部活は?」
「今日は休み。さ、行くよ。」
「あ~待ってよ!」
颯爽と立ち上がった明希のあとに慌てて続く。カバンは…あ、そっか。忘れたんだった。
そこまで考えて、ふと朝のことを思い出す。
あのカップラーメン…勿体なかったなぁ…でも、何か忘れてるような?
「萌衣ー置いてくよ!」
「ゴメンゴメン!」
とりあえず靴を履き替えて、校門に向かう。
その頃には少しだけ人だかりも小さくなっていて、思っていたよりもスムーズに校門に近づくことができた。
とは言え人ごみが完全になくなったわけではなくて。特に平均身長以下の私にとってはこの人ごみは完璧な壁。でも近づいてみて分かったけど、女子が多い、というか女子がほとんどのような気が…
ますます首を傾げつつ、なんとか人ごみを掻き分け掻き分け顔を出した時だった。
唐突に耳に飛び込んできた怒鳴り声。
イラついたような低い声に思わずビクリと肩を揺らす。
「だーかーらー連絡先は教えねぇって言ってんだろ!!」
そこにいたのは、二人の男子。
一人は見慣れない制服に身を包んだちょっと背の低い男子。人工的な金髪に、両耳のピアス、人懐っこそうな可愛い笑顔はいかにも最近のモテる男の子って感じ。
そして、もう一人。
明るい茶髪に白い肌。
高そうな私服に包まれたスラリと細い肢体。
切れ長の瞳、スッと通った鼻筋、形の良い唇――
まるで、童話に出てくる王子様のような男の子。眉間のシワさえなければ、の話だけれど。
金髪の男の子は愛嬌たっぷりの笑顔を女の子達に振り撒いてるし、たぶん、さっきの怒鳴り声はこっちの男の子なんだろう。
でもこんなに綺麗な男の子達なら女の子達が騒ぐのも無理はないのかも…
に、しても。
あの声、どこかで聞いたことがあるような…
そんなことを考えていた、まさにその時。
茶髪の男の子の鋭い視線が私に突き刺さった、次の瞬間。
「あーーっ!!テメェ、今朝のカップ麺オンナ!!」
彼の叫び声が、辺り一面に響き渡った。
窓から下を覗いてみると、校門にできていたのは謎の人だかり。校門で何かが起こってるみたいだけど…
「行ってみる?どうせもう帰るところだし。」
「え?明希、部活は?」
「今日は休み。さ、行くよ。」
「あ~待ってよ!」
颯爽と立ち上がった明希のあとに慌てて続く。カバンは…あ、そっか。忘れたんだった。
そこまで考えて、ふと朝のことを思い出す。
あのカップラーメン…勿体なかったなぁ…でも、何か忘れてるような?
「萌衣ー置いてくよ!」
「ゴメンゴメン!」
とりあえず靴を履き替えて、校門に向かう。
その頃には少しだけ人だかりも小さくなっていて、思っていたよりもスムーズに校門に近づくことができた。
とは言え人ごみが完全になくなったわけではなくて。特に平均身長以下の私にとってはこの人ごみは完璧な壁。でも近づいてみて分かったけど、女子が多い、というか女子がほとんどのような気が…
ますます首を傾げつつ、なんとか人ごみを掻き分け掻き分け顔を出した時だった。
唐突に耳に飛び込んできた怒鳴り声。
イラついたような低い声に思わずビクリと肩を揺らす。
「だーかーらー連絡先は教えねぇって言ってんだろ!!」
そこにいたのは、二人の男子。
一人は見慣れない制服に身を包んだちょっと背の低い男子。人工的な金髪に、両耳のピアス、人懐っこそうな可愛い笑顔はいかにも最近のモテる男の子って感じ。
そして、もう一人。
明るい茶髪に白い肌。
高そうな私服に包まれたスラリと細い肢体。
切れ長の瞳、スッと通った鼻筋、形の良い唇――
まるで、童話に出てくる王子様のような男の子。眉間のシワさえなければ、の話だけれど。
金髪の男の子は愛嬌たっぷりの笑顔を女の子達に振り撒いてるし、たぶん、さっきの怒鳴り声はこっちの男の子なんだろう。
でもこんなに綺麗な男の子達なら女の子達が騒ぐのも無理はないのかも…
に、しても。
あの声、どこかで聞いたことがあるような…
そんなことを考えていた、まさにその時。
茶髪の男の子の鋭い視線が私に突き刺さった、次の瞬間。
「あーーっ!!テメェ、今朝のカップ麺オンナ!!」
彼の叫び声が、辺り一面に響き渡った。
