『ところで、貴女は"夢渡り"というものの存在を知っていますか？』
その人は、セミロングの銀色の髪を耳に掛けながら、いきなりそんなことを訊いてきた。
？？？いきなり、何を言い出すんだ、この人？
とぃうか、何でメモを取ろうとしてるんだ？？
『あぁ！失礼しました。自己紹介がまだでしたね。ボクはコウと言います。貴女は…？』
ぃやぃや、自己紹介がどうとかじゃなくて。
この場合、どうしてそんな質問をするのか、とか、あたしの答えをメモろうとしてるのか、とかが気になってるんですけど……
まぁ、いっか。このままじゃ、中々先に進めなさそうだし・・
｢あたしは、藤木 友(ﾌｼﾞｷ ﾄﾓ)です。質問の答えですけど、知りません。"夢渡り"って何のことですか？｣
