「別に知り合いじゃないし。



あっちは俺の名前さえ知らないから。ただの顔見知り」



「そうなの?二人ともなんか似たような雰囲気が出てて



仲良いかと思ったんだけどなぁ……」



ボソッと残念と口にしている早瀬。



「そう……」



そんなこと全然ない。



俺なんか山下先輩の努力に比べたらまだまだだし



俺には別でジャンパー膝でドクターストップになって、バスケをやってなかった期間だってある。



俺にはあの人はまだまだ遠い存在だ。



だけど、いつか自分から名前を名乗らなくてもあの人に知ってもらえるくらいの成果を出したい。



いや、“出したい”じゃなくて“出す”んだ。



そして、いつもいつも山下先輩に力をもらうんじゃなくて、いつかは山下先輩に励ましてもらわなくても



1人で耐えられるメンタル力も作り上げないといけないな。



青く澄み渡る空を見上げながら俺はそう心に決めた。