キミのバスケを守りたい




「……彼方、今回は諦めよう。



今は足を休ませることを優先して、また高校生になってからバスケをすればいいじゃないか」



「そうよ!まだチャンスは後3年間残ってるわよ!今回は見送りましょ」



と無理に言葉を見つけて俺を諭す父さんと母さん。



「…………」



なんだよ、父さんも母さんも、先生の言葉に言いなりになってすぐに諦めよう諦めようって。



その言葉を聞いて、分かった!今回は諦める!なんて簡単に言える訳もなく俺は違う方を向いて抵抗をした。



先生も、父さんも、母さんも俺が頑張って来たことを何にも分かってない。



毎日の長時間の練習も



朝早く起きて、朝練が始まる前に一人でシュート練習をしていたことも



疲れて練習が終わった後も、ひたすら大事な時に決められるようにスリーポイントの練習をして



やっとやっとここまで来て実力を試すことができる大事な試合だってのに。



「くそっ!なんでここまで来てこんな最後に諦めなきゃいけねぇんだよ!」



俺はアイシングバッグを無理矢理外して、右膝を思いっきり利き手の拳で殴った。