キミのバスケを守りたい




「今の彼方くんは安静にしていて動かしてないから、痛みを感じないだけです。



歩いたら痛みはまたすぐに出てきますよ。



前はジャンプをする時だけに痛みを感じただろうけど



今は歩いたり、走ったりするのでさえ同じような痛みを感じてるよね?



そんなきみにそれ以上過度なことをさせることはわたしはもちろんご両親も無理強いできないよ。



それにその足でもしも明日試合に出て、また今日みたいな激痛を感じて倒れて



残された選手たちは倒れる前と同じプレーができると思うか?



バスケは自分一人でするものじゃないだろう?」



「…………」



俺は諭してくる先生の言葉がもっとも過ぎて何も返すことができなかった。



下を向いて俯くと、右膝にはアイシングバッグで処置してある膝が涙でぼやけた視界に入った。