キミのバスケを守りたい




俺の口にした言葉に、先生は何も言わなかったけど急に雰囲気が変わった気がした。



「軽度のジャンパー膝であれば少し休んで様子見ながら部活を続けてくださいで済みますが



彼方くんの右膝は既に慢性化しています。



日頃からのケアもほとんどされてないようですし、休みなく部活動もされてますよね?



彼方くんの右膝はただちに長期間足を休める必要があります」



長期間足を休める?



俺にはそんな悠長なことしてる時間なんてないんだよ!



「先生、俺は明日大事な大会があるんですよ!



だから今は自分の足を休ませてる余裕なんてないです!」



何も言わない父さんと母さんに俺は先生に反抗するようにそう答えた。



みんなだって、絶対明日は俺が出ると思ってるし、三年は特にこの大会の成績次第で



私立高校からオファーが来たり、推薦で受験できるかもしれねぇのに、こんなチャンスを絶対に無駄にしたくない。