* * * 「……ここ、どこだ?」 「彼方くん、やっと気付いたか! 右足はどうだい?まだ痛むかい?」 意識が戻って、俺は仰向けで眠っていた体を起こすと目の前には見覚えない白衣を着た医者がいた。 それと同時にここが病院だということも悟った。 あっ、そういえば右足。 部活の時は今までに感じたことのないほどの痛みだったのに、 それが嘘のように今は全然……痛くない。 さっきのは夢だったのか? 俺の足……治った……のか? 「全然痛くないです」 俺はそれだけ答えた。