「もう今まででも十分望月くんのバスケはたくさん見せてもらったよ。
でも、わたし……もう一度みたい!」
早瀬は涙を両手で拭って答えた。
「時間がかかっても、絶対にコートに立ってみせるから」
「うん、ずっと待ってる」
そう言ってさっきまで泣いていた早瀬が笑ってくれた。
やっと笑った。
俺はそんな彼女が愛しすぎて、ほんの一瞬だけキスをした。
こんなことは恥ずかしすぎて本人には決して言えないけれど
早瀬にはこれからも俺のそばでバスケをする姿を見ていてほしい。
彼女の存在が今の俺のもう一度走り出す原動力だから。


