キミのバスケを守りたい



良かった。これでもう怖くない。



なんだか隣に望月くんがいてくれると安心する。



バクバク言っていた鼓動も少しずつ収まってきた気がするし。



「今度からはちゃんと言えよ。マネージャーだからって部員の言うことなんでも聞いてればいいわけじゃないんだし。



もっと意思表示しろよ」



あたしは嗚咽を抑えながら、コクンとうなずいて『連れ出してくれてありがと』と言った。



そして、そう答えた時にやっとこの状況がどうなっているのか気づいた。



「あぁ」



「わわわっ!なんで!あたし、なんで!?望月くん?」



口が動くままに発するけど、自分自身何が言いたいのかさっぱり分からない。



当の抱きしめてきた本人は別に恥ずかしがる様子もなくいつも通りで。あたしは恥ずかしすぎてまた彼のタオルに顔を覆った。