キミのバスケを守りたい



口を誰かに押さえられたまま連れて行かれた先は非常階段だった。



非常階段に出ると口も自由になっていて、重たいドアを閉めている誰かの後ろ姿を見た。



「早瀬、びくびくしすぎ。見てて何回も笑いそうになった」



この声……もしかして望月くん?



ドアを閉め終わってあたしの方に振り返った人は本当に望月くんだった。



「う……ぐっ……本当に…こわかっ…たんだから」



びっくりして引っ込んでいた涙がまた溢れだした。



わたしはその涙を両手で拭う。



「あー泣くなって!俺が悪かったって」



望月くんは焦りながらあたしにさっき出したばっかりのタオルと言って渡してくれた。