「でも「あー!分かってる!」」
“でも無理だけはしないでね!”と言おうとしたらすぐに望月くんに遮られてしまった。
「ちょっと大事なこと何にも言ってないよ!」
わたしは頬を膨らましながら望月くんの方を見る。
心配しか望月くんにできることはないんだからそれくらいさせてよね!
「言わなくても分かるから遮ったに決まってんだろ。
どうせ無理だけはすんな!だろ?」
「…………」
分かりきったように自信満々にそう言う望月くんがちょっとむかつく。
それから言いたいことがあってるからまたむかつく。
でもこうして笑ってくれてるなら、バスケをまた好きって思ってくれてるならそれは嬉しい。
「でも、サンキューな。俺……絶対1人だったらまたバスケやろうなんて思えなかったから」
望月くんは前を向いたまま、わたしの頭を軽くポンポンとした。
「え……」
わたしの足は歩みを止めた。
こんな不意打ちで嬉しすぎる言葉を言うなんてずるいよ。
わたしの方こそ、もう一度バスケをやるって言ってくれてありがとうだよ。
彼は体育館に先に行ってバッシュを履くと、軽く体を動かしてまたコートに入って行った。
それからすぐに中田先輩も入ってきて先生に謝りに行ってる姿を見ると、みんなも帰ってきたことに喜んでいて部活の雰囲気も元に戻った気がした。


