キミのバスケを守りたい




「うるさい……ていうか望月、必死すぎ。



お前っていつもクールな素振りでプレーしてるくせに、本気になるときもあるんだな。



それに、俺がいない方がすぐレギュラーになれて楽だろ?」



中田先輩は急に吹き出して笑い始めた。



きっと中田先輩は自分の気持ちを望月くんが分かってくれたのが嬉しかったんだと思う。



だから彼の表情にはもう怒っている感じは全然しなかった。



「うわっ……まじ必死になって損した。



だからそれじゃあ意味がないってさっき言ったじゃないですか!



早瀬、もうあんな先輩放っておいて体育館に戻ろうぜ」



と振り返って体育館に向かって歩き出す望月くん。



ムスっとした望月くんは追いかけて損をしたと顔が言っている。



「ちょっ、待てって!俺も戻るから!」



本当に振り返らずに歩いていく望月くんに焦り出した中田先輩は合宿用のバッグを再び背負って走り出す。



でも、彼の表情はなんだか口元を緩めていてうれしそうで。



そしてそのまま望月くんの前も通り越して走って行くと、部室に入る中田先輩が見えてやっと安心することができたんだ。