キミのバスケを守りたい




「おーい!だんだんタイマー鳴ると同時にエンドラインに着いてるぞー!



そんなんじゃ、勝てる試合もスタミナ切れで勝てねぇぞ!」



「「はい!」」



体操とストレッチを済ませてから、部員達はシャトルランでずっと走り続けている。



これはタイマーが鳴るまでにコートの端と端を何度も走って往復する練習でちょうど今は70本目をこなしたところ。



まだ後30本残っている。



相馬先生はだんだんバテ始めている部員達を見て眉間にしわをグッと寄せている。



まだボールも持っていないのに、いきなりこんなキツイ練習メニューが相馬先生から出て



コートの外にいるわたしと詩織はただただ頑張って!と思いながら見守る。



耳には絶えず流れる汗を練習着の袖で拭う姿、バッシュが床に擦れてキュッ!と鳴る高い音だけが聞こえる。



わたしたちは休憩になったらすぐに給水ボトルやタオルを配れるように準備万端にしてシャトルランが終わるのを待っていることしかできなかった。