それは突然の知らせでした。

 初代王の突然の帰還…慌ただしく、衣服を整えてから向かう事にした。

初代王は神殿の奥の間の妃の間にいると言う…

 其処は、初代王の妃が眠る神聖な場所。遺体は、傷みもせず…老いもせず亡くなった頃の姿、形そのまま…

(着いて早々、妃にお参りですかね?この世に身体しか残ってないのに…)何とも言い難いが、この王が、妃の蘇生方法を捜してると…真しやかな噂が流れている。


 初代は、微動だにせず…只、愛する妻を優しい眼差しで見詰めていた。


 その、横顔が素敵で…不覚にも見惚れていたら、意地の悪い言葉が飛んで来た。それも、笑いながら…
(初代は性格が段々悪くなるンじゃないかしらねぇ…)

「セレ…我は見世物じゃないンだがな?」ニヤニヤしながら、この親父はそう言った。

(この方は夫君の曾祖父に当たる方だ…そして神々に愛され祝福された王…私とは‥違うのだ…)

そう思い悩む日々も、今は適度に心に古い傷と痛みを伴う。



 「初代‥お帰りなさいませ。ここ最近は王の戴冠式にもお出にならず…何処ぞで、今度こそ くたばってるかと、心配しておりました
」(長い事生きてると…妃だった事も忘れて、今頃はこんな感じだ←トホホ)

初代は、堪えきれず吹き出した(失礼な……(´д`|||))「セレ…久しく会わぬうちに…くくく…ワハハ…駄目だ!」一頻り爆笑した後、用件に辿り着くまで‥暫く時を要した。
(初代…こんなに笑い上戸だったかしらねぇ?)

ゴホン、わざとらしい咳払いをしつつ、初代が 「セレ…単刀直入に言う‥シオン王子に会わせろ!」


…‥…‥…‥「はぁ?」