「おいっ菜子っ!!」





佑太は菜子を呼び止めた。




菜子は振り返って佑太を見つめる。





佑太としては呼び止めたのは





自分なのだが照れくさく、下を向いて叫ぶ。






「っまた、明日なっ!」







言いたかったのは、ただ、それだけで。







明日も学校だから会えるのに



何故か伝えたかった。





…って言うのは多分言い訳なんだと思う。




ただ、あいつと喋りたかったってのが




本音。








聞こえた菜子は笑って








「バイバイっ佑太」







人の気も知らないで



佑太はなんでもない挨拶かもしれないけど



菜子にとっては凄く嬉しいんだよ。



佑太は菜子の


気持ちに気づいてないと思うから





この赤く染まった頬は



夕陽のせいにしておきます。