おなかすいてるならチョコあげる



沈黙を破ったのは、相手の女子だった。


『...ちょっと、何ぶつかってんの!おかげで神木さんのカップケーキ、落ちちゃったじゃん!』


彼女は、私にぶつかってきた男子に怒ってた。

男子の方も不注意だったみたいで、申し訳なさそうに私を見ている。


『ご、ごめん』

『どーしてくれんの!?超楽しみにしてたのに!』

『だ、だってさぁ....』

『...い、いいよ。まだ、あるし....』


仕方ないよ、とふたりに小さく笑いかける。


男子は、私を相手にどう対応していいのか、困ってるようだった。

扱いにくい立場で、こちらこそ申し訳ない。


だめになっちゃった、カップケーキ。


床に転がったそれに目を向けて、拾おうとする。

だけど、その先に誰かが立っていた。