「神木ちゃーんっ」


そのとき、後ろから愛莉ちゃんが突撃してきた。

びっくりして、首だけ後ろに向けると、愛莉ちゃんがへへへと子供みたいに笑っていた。


「お菓子作り教えてーっ」

「...う、うん。私でよければ...」

「おお!ほんとに!?やったーありがとー!!」


両手を掴まれて、ぶんぶんと上下に振られる。

愛莉ちゃんは嬉しそうに笑っていて、西山くんはそんな愛莉ちゃんに呆れた顔をしてて。


私も、楽しくて笑った。


途中でなんでか涙が出てきて、愛莉ちゃんにものすごく心配された。

それもまた面白くて、私はいつまでも笑っていた。


そしたらクラスメイトの男子が「愛莉、なに神木さん泣かせてんだよー」とやってきて。


気づけば私達の周りに、人が集まっていた。