おなかすいてるならチョコあげる



一生懸命、首を横に振る。


いいよ、いいよ。

嘘ついて、ごめんね。受け取ってくれてありがとう。


西山くんは、目の前でリボンをほどいた。

しゅる、と小さな音がして、彼の手が真白な線を引く。


私はそれを、潤む目もそのままに眺めていた。


西山くんが、一口サイズの丸いチョコレートを手にとる。


彼の大きな手のひらに、ミルクチョコの混じったそれは少し小さく感じられた。

もう少し大きく作ればよかったなあなんて、頭の片隅で考えた。


西山くんは、ゆっくりとチョコレートを口に運んだ。


「.......うまいよ、神木」

「....ありがとう.....」


幸せだなあ。


好きなひとが、チョコを食べてくれた。

美味しいって言ってくれた。