おなかすいてるならチョコあげる



....だから。


これだけでも、受け取って。たべてほしい。



「...............」


西山くんは、しばらくの間私を見つめていた。

差し出したまんまの手が、震える。

やっと涙が引いてきた頃、彼が柔らかく目を細めているのが見えた。



「.....ん。ありがと、神木」



やさしい、声。

普段の彼からは想像できないほど、やさしい声だった。

それがまた、私を切なくさせる。


彼の手が、深い赤の箱を受け取った。

白いリボンが揺れる。


西山くんはそれを見つめて、静かに、ゆっくりと、言った。



「......ごめんな」



いいよ。

君がやさしいから、それだけで、もういいよ。