「なんでこんな場所に....」
サークルのメンバーもいない。周りには
草しかない。
「大体、河原先輩が悪いのよ。こんなとこ
に連れてきて。宝石割った修弥も」
夢羅、秋名、蒼汰、修弥。この四人は
特別。大好きだ。いつもこの五人で行動
していた。
離れたことなんて、なかった。
「なんなのよ…!」
行き場のない怒り。誰にも聞こえない声。
誰かに助けてほしい。でも自分以外に人は
いない。
「馬鹿みたい、なんでこんな......」

「「嫌なら、死ねばいいじゃん」」

「!?」
低い声が耳に届いた。でも姿はない。
辺りを見まわしていると、その子はいた。
「なっ.....」
浮いていた、宙に。

「「驚いた?まぁ、アタシ人じゃないから」」

人じゃない。その言葉が何よりも響く。
「じゃあ何だって言うのよ」

「「.......作り者?って言うのかなァ」」

「!!」
その言葉に固まる。今目の前にいるのは、
人間じゃないんだ。

「「まぁ、さっそくだけど。アタシの手下と
戦ってよね。今すぐ」」

不気味な笑みを浮かべるその子は、こっち
を見て頷いた....。