「凜子...」
凜子が、私に怒鳴って教室を出て行って
から、数分後。
「ふっ...ふふっ...」
「っ!?あなた、広瀬さん...!」
広瀬さんが私の後ろで笑っていた。しかも
不気味な笑みを浮かべて。
「夕紀。あなた、凜子の悪口言ってるよね
知ってるんだから」
「私...言ってない」
「あれぇ?忘れたの?言ったよね!?」
「...っ」
広瀬さんは、今まで嘘をついた事がないと
凜子に言われた。
きっと、正直者なんだろう。
「夕紀、こう言ったよね。凜子はしつこい
いつも私にばっか近づいて来る。たまには
他の子と話したりしてくれないかな。」
「う、うるさいっ!言ってないよ...!」
「ふーん。言ってないんだ」
「っ、あ.....」
「あたしは、嘘は言ってない。真実しか
言ってないよ」
「あ...あ...凜子.....!」
私は...確かに言った。凜子に内緒で。
広瀬さんにも言った。色々な事を。でも.....
こんな風になるなんて、思ってなかった。
なんで、なんで....!
(ごめん。凜子、ごめんね...)