こちらに投げてきたため、窓から手を伸ばしてキャッチする。「ナイスキャッチ」と笑う。

 いや、話が読めないんだが。

 後ろで愛梨が「ほら、今がチャンス」と私をさらに急かす。…というか、と恵介から何故私が板チョコを貰わなくてはならないのか。というか、催促しているようじゃないか。



「恵介」

「なんだ、まだ足りないのか」

「まだあるの!?」

「おう。ちなみにホワイト」

「しかもホワイト!―――じゃなくて、さ」




 きょとんとした恵介がこちらを見ている。何だか急にドキドキしてきた。寒いけど。
 
 持っていた包みは、例え落としても中身がどうなるとかはないはず。よし。




「秋江ー?」