タイン達が向かった街は、水を資源にして

いるダイヤイアという街だった。

その街に、水を操る能力者がいると聞き、

捜しに来たのだ。


「…大きい街だなぁ、ダイヤイアは」


ロンはダイヤイアの大きさに圧倒し、目を

丸くしていた。

そんなロンとは反対に、タインは黙々と歩

を進める。

しかし、ロンがいないと何かしらと大変な

ので、背中越しに口を開いた。


「………ロン、口を開けていないで歩いたら

どうなのだ」


「……えっ、あっ、ごめん、あまりにも大き

くて……」


ロンは、頭をかきながら言った。


「水の能力者がいるっていうのは、ここで

いいのか?」


ロンは、タインに聞いた。

タインは、不満顔で答える。


「いなかったら、来てないのだ」

「………そうか…」


ロンは、タインの言葉に思わずため息。

ロンはタインの横に駆け寄り、並んで歩

く。


「綺麗な街だな、俺達の街とは比べ物にな

らないくらいだ」

「この街は、水を資源している街だ。水を

汚したり、無駄に使ったりしたら、処刑さ

れるらしいぞ」


ロンは、タインの解説を聞き、目をぱちく

りさせてしまった。

この街について、あまりにも詳しかったの

で、驚いてしまった。


「……なんだ、なにか変か?」


ロンの様子を見たタインは、頬を赤く染め

て、口を開いた。


「……!い、いや、別に…」


ロンの答え方が不審に思ったのか、タイン

は、腰に手を置き不満顔で言った。


「…なにかあるなら言うのだ」

「……い、いや…」

「言うのだ!」


タインのわがままに呆れ、思ったことを正

直に言うことにした。


「………わかった、えっとーーー」


ロンは一息溜めると、口を開いた。


「……タインは、どうしてそんなに詳しいん

だ?まるで一度来たことがあるような感じ

だけど…」


ロンの言葉にタインは、はぁ、とため息を

し、言った。


「ロン、私を誰だと思っている。大地のこ

とならなんでも知っているんだぞ。当たり

前なのだ」


そう言うと、一人そそくさと歩いて行って

しまった。

ロンは、呆然としながらその場に立ってい

た。


「おーい、はやくしろー♪」


そんなロンの様子を見て、タインが声をか

ける。

思わずロンは、小さく笑ってしまった。

さっきまでムスッとしていたのに、いつの

間にか楽しそうにはしゃいでいる。

その事をタインに言えば、照れ隠しでなに

を言ってくるかわからないので、心の中に

納めておくことにした。


「わかった、今行く」


ロンは、なるべく顔に出さないように答え

ると、タインの元へと走り出した。