「おぉー、やっぱ実嶺ってお菓子作りうまいよね」



横から顔を覗かせまじまじと出来上がったブラウニーを眺める。


「楓歌の分もあるよー?」


もう既にラッピングされたブラウニーを楓歌に渡す。


「え、いつの間にラッピングしてたの」

「楓歌が見てない時にぱぱーって!」


手を大きく広げて表現すると楓歌はまたふっと笑って私の手からラッピングされたブラウニーを取った。


「ありがと実嶺。
帰ってから食べるね」

「うん!」



実嶺はくるっとテーブルに向き直り水色の可愛らしい袋を手に取るとはい。っと渡してきた。


「これ、実嶺の分。」

「わっ、ありがとー!」

「明日、頑張れるように私もおまじないかけてあげたからね」


実嶺の口から『おまじない』なんて言葉が出てくるのを想像していなかったから
どこかくすぐったくて笑ってしまった。


「うん、頑張る!」