暗い夜道を今度は喬弥くんの隣で歩く。



彼女でもないのにいいのかな。
もし、喬弥くんに彼女がいたら…




「暗い顔してどうしたの?」

「えっ」



喬弥くんは心配そうにこちらを覗き込んでいた。



「俯いて暗い顔してたから」

「あ、や、喬弥くんの彼女さんに悪いなーって思って!」


心はズキズキと痛む。

自分で言って傷つくなんてバカみたい。
てか、こんな優しい人なのにいないなんておかしいよね。



「俺、彼女いないし」

「へ?」