学校の校門を出て10分。

話題がないまま喬弥くんの少し後ろを歩く。




「んと、あのさ」



喬弥くんはピタっと止まってこちらを向く。



「後ろじゃなくて、隣来たら?」




困ったような顔をして喬弥くんは言った。




「え、あっ…」



どうしようと戸惑ってると喬弥くんは手をグンっと引いて隣に来させた。



「あの、喬弥くん!?」

「いいから、隣歩く」



喬弥くんの気迫に圧されて「は、はい」と言ってしまった。