家についた俺は心配そうな顔を
しながらもなんて声をかけるべきか
迷っているかのような母さんに
「俺は平気だから。」そう声を
かけて自分の部屋へとこもった。
布団の中に入り外の明かりを
遮断するとなんだか
自分がガンだなんてやっぱり
どこか信じられなくて。
いまでさえもまだふと目が覚めれば
なにもない日常に戻るんじゃないかと
そんな事を願ってしまう。
俺がガン?なんで俺なんだ?
俺は死ぬのか?死にたくねえよ。
そんなことが頭の中をひたすら
駆け巡る中、携帯電話が鳴った。
《着信 世奈》
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