私は何も言わずに

彼の方をむいた。


「何よ。」

「いえ。ただ先輩とキスしたくて。

いいですか?」

キス。

キスは危険だ。こいつのキスは私の心の鍵を外してしまう。


「気分じゃない。」

「俺がそういう気分なんです。」


彼は噛みつくように口づけた。


どうせ、するなら。


聞かないでよ。