はぁ振り返ってみれば
我ながら初恋をこじらせたと思う。
良い思い出で終われてたら また新しい恋も生まれてたはずなんだけどな。
「奈美さん?
ボーッとしてます?」
彼に呼ばれ我に返る。
「いゃ気にしないで。」
「たまに気が抜けるとこ変わってないですね。」
彼は昔のように優しく接した。
でもその優しさに暖かさなんてない。
彼の目はすごく怪しくて
少しだけ怖い。
「昔の話はやめて。
もう昔とは変わったわ。これからは仕事仲間として必要な時だけ話しましょ。」
この指導期間が終われば
もう話すことはなくなる。それでいいの。

