「でも、私は、リストカットなんかしてもむなしいだけだった。」


「俺は、この傷が見つかって、先生に助けられた。」


「…そこは、違うのね。先生に見つかったの。でも、見て見ぬふり。
誰も、助けてなどくれなかった!」


周りに報われなかったんだな。


「俺がいる!」


「えっ…」


「俺は、誰かに助けてもらってた!
だから、次は俺が助ける!」


「う、、うそっ、」

美里が泣き出した。


俺は、見ていられなくなって抱きしめた。

「ほ、ほんと、、は、きずいてたっ!
一人じゃ、、寂しくてっ、、でも、気づかないふりをしてっ、、誰かに、、助けてっもらいたかった、、」


ついに、美里の本音が聞けた。


「好きだ…」

「ほぇ?」


「初めて見た時一人でいて、かっこよかった。俺には、無理だったから。
でも、俺は、知ってる。誰かと一緒にいないと、心が壊れてしまうことを…
姿を目で追うようになって好きになってた。」


「私も、好きっ…
私を助けてくれた。暗闇の底から
眩しい光のように、救い出してくれたっ」