希望なんて…



〝彼方side〟


一人でいた美里を見つけた。

なんでも、一人でそつなくこなす。


そんな、女の子だった。

一人で平気な人なんていない。



「美里…俺も、一人になったことがあるんだよ。」



「そ、そんなの信じられない!」



「だったら、これ…」


俺は、手首を見せた。



「?…こ、これって!?」



俺の手首には、傷があった。


何本もの切り傷が…


「…そうだよ。俺は、前にリストカットをしたことがある。」


「奇遇ね。私も、やったことあるのよ。」


そう言って、手首を見せた。