「でも、私に女嫌いを克服させてほしいって言ってきた修吾をまた女嫌いにさせてしまうのは目に見えてるんだよな」



家に帰ってからも悶々とただ考えていた。私に女嫌いを克服させてほしいと言った修吾。


だけどその私がまた修吾を利用したことを知ったら今度こそ立ち直れない気がする。ダメだ。考えても考えても答えなんて出て来ない。



「あっ、気がつかなかった。着信入ってたんだ」



考えても答えが出ない。とりあえず、まずは一杯だけでもと立ち上がって冷蔵庫に向かう途中、テーブルに置きっぱなしだった携帯に目をやると着信アリとの表示。


誰だろうと確認してみると弟の賢からだった。賢から着信なんて珍しい。急いで掛け直すことにした。


「もしもし。どうしたの?賢から電話なんて珍しい」


「俺から掛けることだってあるんだよ。姉貴、明日って空いてるか?」


「明日?明日は・・・」



「修吾と会うんだろ?てか姉貴、修吾と付き合ってるってどういうことだよ?連絡取りたいってまさか告白したかったとか?」