怒鳴りつけるように吐いた咄嗟の嘘。目をパチクリさせながら驚く表情にそのまま言葉は止まらない。


「さっきから聞いてたら自分には彼氏がいるから無理とかなんとか。大体、いきなり呼び出して、失礼なのよ」


「・・・雅、彼氏いたの?えっ?そうなの?そんなの聞いてない。ど、どうせ咄嗟の嘘でしょ」


昔からたまにこういう上から目線のことはあったけれど、さすがに腹が立って仕方がない。


咄嗟の嘘だけど、なんとかするしかない。嘘だとバレるとまたバカにするに決まってる。


友人なのに、どこか張り合ってた私たち。そして、お互い負けず嫌い。


「ねえ、そんなに言うなら会わせてよ。そしたら納得する。まあどうせ今から探すんでしょ?執行猶予あげるわよ。3ヶ月。3ヶ月後に彼氏がいれば諦めてあげる。でも、いなければあんたも負けを認めてうちのモニターとしてソロウェディングやってちょうだいよ」


「いいわよ!ソロウェディングでも何でもやってあげる。ただし、彼氏がいたらあんたも私にちゃんと謝罪しなさいよ」



まさか、久々に再会した友人と焼肉屋さんで大げんかした挙句、大見得張って啖呵を切るとは。


でも、言い張った限りはなんとしても3ヶ月後に彼氏を作っていなきゃいけない。