「本当に修吾だったんだね」

「はあ?」

「その、口に食べ物を頬張った姿、変わらない」

私の言葉に左手で口を覆う修吾。照れた時に口を覆う仕草も同じ。

お母さんの料理を口いっぱい頬張ってリスみたいにモゴモゴしてそれを指摘すると視線を逸らして口を隠す。

「で、もう一度聞きますけど、話ってなんですか?」

ホッとした。最初再会したときはあまりにも面影がなくて、別人に思えたけれど変わってないところもたくさんある。良かった。

「えっ、ああ、そ、それなんだけど、まあ今はとにかく食べようよ。焼き鳥は熱々を食べるものだし、あっ、そうだ。飲む?私、ここの杏酒がお気に入りなんだよね。修吾はどうする?」

「・・・俺は、ウーロン茶で」

結局、進めたお酒も飲まず、淡々と運ばれてくる焼き鳥を口にするだけ。せっかく垣間見れたあの仕草は隠すかのように。

でも、今の修吾に彼氏のふりをしてほしいとは頼みづらくて私も美味しい、美味しいと焼き鳥を食べ続けた。


「・・・で、食べ終わりましたけれど話はなんなんですか?」

「まだ、デザート食べてないよ。ほらっ、アイスにする?シャーベットにする?」

たらふく焼き鳥を食べたにもかかわらず、まだデザートを勧める私にいい加減、修吾も痺れを切らし始めてきた。

「あの、その・・・」