「夕霧さんは草むしりをお願いします」
「うん、分かったわ」
今日はみんなで畑を耕す日。
一緒に汗を流すことで兄弟のように仲良くなることができる、というのが先生の考え。
儒学の教えにも基づいているとか。
辺りに生えた雑草を一本一本抜いていく。
……それにしても、今日は本当に暑い。
太陽が容赦なく照りつけて、汗が体を流れていく。
「しかし今日は暑いな。皆、終わったら川へ泳ぎに行かないか?」
同じように草を取っていた晋作が、汗を手でぬぐいながら皆を見回す。
「晋作、まだ今日の仕事は終わってないよ。口じゃなくて手を動かしなよ。それに、この後は皆で武教全書を読む約束だろ」
そう反論した栄太郎の肩に腕を回して晋作は言った。
「水練も立派な勉強だ。なあ夕霧」
爽やかな笑顔を不意にこちらに向けられても困ってしまう。
「えっと、確かにいい勉強にはなると思うよ」
苦笑いと共にとりあえずそう返す。
