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「お、終わった……」
久坂さんのおかげで処置がかなり早く進んだ。
終わって気が抜けたのか、ぺたりと地に座り込んでしまった。
「あの子達、大丈夫かな……」
近くのお医者様の所まで運ばれていくのを見送りながら呟く。
「心配ない、大丈夫だろう」
すっと隣に立った久坂さんも、黙ってそれを見送る。
「頭は派手に血が出る場所だが、実際は軽い怪我の場合が多い」
「そうなんですか?」
「ああ」
それきり久坂さんは黙り込んでしまう。
……気まずい。
重い空気にそれ以上耐え切れずに、とりあえず帰ろうと立ち上がる。
「お嬢ちゃん、大変だったね」
身なりを整えていると、そう声をかけられた。
そこにいたのは町の人達。
さっき手ぬぐいを借りようとした時の人達だった。
