猿のようにキーキー叫ぶ彼女を置いて、オレは道を進む。



しかし、3歩踏み出した所でオレは立ち止まった。



「……道案内をしてください」



初めて来た土地。



そんなのわかっているわけがない。



地図も持ってきてねーし。



オレは彼女から返ってくる言葉に対する言い訳を考えていた。



「アハハっ!行く前に素直に言っちゃえばよかったのに」



彼女は笑ってオレに近づいた。



オレは照れ隠しに、彼女から顔を背けた。