特別美人なわけでもない、どこにもいる普通の少女だった。



それでも暑い夏というのに、全く焼けていない白い肌。



長い黒髪がさらっと風に揺れる。



そんな姿をさらに引き立てるのは、頭に被っている麦わら帽子。



「よろしく……」



オレは照れ隠しに、彼女から顔を背けた。



気づいていないのか、そんなオレを気にも留めずに、オレの手を引いた。



「さあさあ、時間もあまりありませんので急ぎましょう」



ニッコリと、彼女は華を咲かせた。