彼のいない世界が。



彼はもういないこの現実が。



「いや、嫌だよぉ」



部屋に嗚咽が響き渡る。



初めて愛して、愛されて。



たくさん涙を零した。



彼は不器用で、それでも優しくて仕事が上手くて。



私はあんな雲の上のような存在だった彼の隣に立てて、この世界で1番の幸せ者です。



私はたくさん泣いた。



彼のいない世界を歩むために。



彼の夢を叶えるための準備で。



私はひたすら泣き続けた。




END