『大手宝石会社の副社長………』



映り出される名前も、写真も。


彼で。


私の愛する彼で。



現実を受け止めたくなかった。



一緒に見ていたお母さんは、私を抱きしめて泣いて。



仕事帰りに知ったお父さんは、陰で隠れて泣いていた。



そんな私は呆然と見ている。



なんで?彼は自由を求めて世界を回っているんだよ?



それに私と約束したよ?



必ず帰ってくるって、あのネックレスと共に。