私が三つ学に入学して半年が経つ。

「瑠唯ちゃーんっ!おっはーよ。」

「おはよう、美和。」

いつも通り親友の美和と教室で話していると…

『如月美歩が退学だーーーーっ!』

その声を聞くと、クラスメイトは一斉に校庭に向かう。

私達もつられて校庭に行くと、5人が登校してくる所だった。

校庭に並べられた5色の高級感のあるソファの前に、髪が長い綺麗な女の子が立っている。

5人がその女の子と対面してしばらくしてから、一際背の高い男。朝霧大和が口を開く。

「如月美歩。今日で半年だ。オレらの誰も落とすことは出来なかった。つまらん。」

「…そんなっ。」

朝霧大和は女の子を素通りして赤のソファに座る。

「…。」

その次に天羽雅が何も言わずにソファに向かって歩く。

「ざーんねん。可愛いかったのに。」

チュっとおデコにキスしプレイボーイ葛葉奏多が横を通る。

「じゃーねん。」

王子様スマイルを浮かべながら手をヒラヒラと振る月夜見尊。

「頭も悪いしな。」

女の子には目もくれずに山吹伊織がソファに座ると、それを合図に

「それでは正式に2年如月美歩を退学にする。」

朝霧大和の言葉を合図に、黒スーツに身を包んだボディガードのような体格の男2人が女の子を連れていく。

抵抗も虚しく車に乗せられてしまった。

「第2期ポーンは後日発表する。」

朝霧大和を先頭に5人は去っていった。

『ほんとに退学になんのかよ…。』

『でもあの5人のお側にいたいわぁ。』

『当然の結果よ。如月美歩って有頂天になっていたものね。』

なーんか、バカバカしいな。
って思っていたら美和も思っていたらしく

「さっさと教室戻ろっ。」

と歩き出した。

容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能。おまけにキャラが成り立っている。でも性格が最悪。そんな5人の傍になんて死んでもいたくない。歪んでる。