これはふたりの物語。


彩羽にとってのすべて。

遠い日の物語。


-彩羽side-


「宗!お父さんが!危ないって・・・どうしよ・・・もしものことがあったら・・・」


「大丈夫だから!落ち着け!」


「大丈夫なんかじゃないの!」


お父さんの病室にたくさんはいっていく。


真っ白な人たち。


お願い・・・助けて!


私の家族はお父さんしかいないのに・・・。


小さい頃に私を捨てた母。


母の顔なんて覚えていない。
お父さんも写真とかみせてくれないし。


お願い。なんでもする!お父さんを助けてください・・・。