「い、池川渚(いけがわなぎさ)ですっ。よろしくお願いします!」
席に着いたとき、隣の人と目があった。寝癖がひどくて、思わず笑っちゃった。
「な、なんだよ…」
「わっ、ごめんなさい!寝癖が…すごいなーって」
彼、誰かに似てる気がするけど…思い出せない。
「あー、俺細田蓮(ほそだれん)、よろしくな」
「う、うん」
ヘヘッって笑う彼はちょっと恥ずかしそうに顔が赤くなってた。太陽のせいかな?
「おーし、じゃあペン用意しろー。いろいろ配るからな。」
先生が教科書を配っていく。
「あ、マイネームねーな」
貸そうか?って言いたかったけど、教科書きたし、いっか。
「げっ」
教科書…折れてる…マジか…
「折れてんじゃん。交換しようか?」
「あ、ありがと…」
優しい人なんだ。私は貸せなかったのに。
「ね、ねぇ星野!」
「…星野?俺細田だけど」
あれ?星野?なんで?星野は小学生の時の男友達だったはずなのに…
「わ、ごめん間違えた。マイネーム貸そうか?」
「ん…サンキュー?」
私すごい顔赤くなってる!なんで…?
「お前…星野ってやつのこと好きだったの?」
「え!?す、好き…?」
自分の気持ちに気づいた時だった。