けれど、望みを捨てるにはまだ早い。果報は寝て待てというし。というわけで、今日のお昼休みは少し昼寝をしようと思う。

游さんのアパートにはエアコンがなくて暑くて眠れず、睡眠不足。それに比べてここの事務所は、温度設定を高めにしているとはいえとても快適だ。少し仮眠をとらないと、死んでしまうかもしれない。それくらいには眠に飢えているのは確かだった。

 私はお茶を配り終えると、本社から送られてきた納品の予定の一覧表と倉庫の在庫確認を始める。この作業は意外と手間がかかり、うっかりすると納品が間に合わなかったりするから大変だ。だから、パソコン上の在庫数をうのみにせず、倉庫に出向いて自分の目で確認する。
もし、倉庫にある在庫で足りない場合は自社の工場へ連絡したり、急ぎであれば他のセンターから取り寄せ、もしくはそこから直接納品してもらわなければならない。

そんなことをしているとあっという間にお昼の時間になってしまった。

私はお弁当を食べ終えると、ブランケットにくるまり机の上に突っ伏す。センター長が聞くラジオの音声を子守唄代わりにしながらゆっくりと目を閉じる。

しかし、鳴り響いた一本の電話に私は夢の世界から引きずり出されてしまった。