「そっか、そんなことがあったんだね。ごめんね」
「どうして游さんが謝るんですか?」
「だって、知っていたらもっとちゃんと慰めることができたでしょう? こんなに辛い気持ちをためることもなかった。だから、ごめんって」
游さんは腰に回していた私の手をそっとほどいた。そして、私と向かい合おうとする。
「や、見ないでください!」
「どうして?」
「私の顔、涙でぐちゃぐちゃだから」
「そっか、じゃあこうすればいいかな」
そういって游さんは私を、自分の胸に押し付けるようにして抱きしめる。
「好きなだけ泣いていいよ。たくさん泣いたら、日曜日にどっか行こうか。気晴らしになるような所。どこがいいかな」
背中をトントンとされて、私は子供のように泣いた。泣きながら、私の悲しい気持ちは游さんが投げかけた日曜日の予定にどんどんと向いていく。
「……ピクニックがいいです」
お弁当作って、近くの公園までいって、レジャーシートをしいてごろんと寝転がって、のんびり過ごしたい。
「うん、そうしようか。日曜日は晴れるらしいし、きっといいリフレッシュになると思う」
游さんはそういいながら泣き止んだ私をそっと解放する。
「さてと、僕はシャワーでも浴びようかな。由衣子ちゃんは先に寝てていいからね」
「はい」
それから私は游さんの浴びるシャワーの音を聞きながら布団にもぐり込みゆっくりと目を閉じた。


