一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~

「さ、どうぞ上って」

「うん。おじゃまします」

 私と游さんは迎え入れてくれた紘子に持ってきたケーキを渡すと、リビングのソファーに並んで座った。
いつの間にかリビングにはベビーベッドが置かれていて、産まれてくる赤ちゃんを迎える準備が着々と進んでいる。
私はそっと近づいていて、まだ空っぽのベッドを覗いてみた。

「ああ、それ? まだ早いって言ってるのに慎一郎が買って来たの!」

 キッチンから戻ってきた紘子は、手にお茶をのせたトレイを持っている。游さんはすっと立ち上がるとそれを受け取った。

「ああ、ありがとうございます」

「ううん、ごめんね。返って気を使わせちゃって。後は僕がやるから紘子ちゃんんは座って」

 游さんはポットのお茶を三人分注ぐと、カップをそれぞれの前に置く。

「由衣子はケーキ出してくれる?」

「もちろん」

 そう私が答えると、游さんは「由衣子ちゃんは座ってて」とキッチンに向かった。紘子は不思議そうに私を見て、それから何か気付いた様に「そうなの? 由衣子!」と言った。

「うん。実はね、今日はその報告に来たの。私、赤ちゃんが出来たの。それでね、游さんと結婚することになった」

「おめでとう、由衣子! よかったね」

言いながら立ち上がった紘子に私は駆け寄った。二人で抱き合って喜びあって、しまいにはボロボロ泣いた。

困った顔の游さんはちょうど帰宅した慎一郎さんに私たちが泣いている理由を話した。

それから四人でケーキを食べて、改めて結婚の報告をした。