一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~

《もしもし、由衣子?》

 電話に出た紘子の声は、いつもと同じで私はとてもホッとした。

「紘子?」

《どうした? なんか元気ないじゃん》

「そんなこと……ないよ」

 私は、紘子に冷たくしたしまったのに、紘子は私を気にかけてくれた。それが嬉しくて、思わず涙が込み上げてくる。

《え? 泣いてるの? なにかあった?》

「ううん、ちがう。なんか、紘子の声聞いたら安心した」

《なにそれ?》

 電話口で、紘子はけらけらと声を上げて笑っている。紘子が友達でいてくれてよかったと、私は感謝の気持ちでいっぱいだ。

「今から行っていい?」

《うちに? いいけど》

「游さんも一緒だけどいい?」

《うん、もちろん。待ってるね》

 電話を切った。車はすでに紘子の家の方角へと向かっている。途中にある洋菓子店で紘子の好みのお菓子を買った。

「紘子、喜んでくれるかな」

「きっと喜んでくれるよ。そのお菓子も、由衣子ちゃんの報告も」

「そうですよね」

 私ははやる気持ちを押さえて、インターフォンを押した。