一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~

永峯理事長にそう言ってもらえて、私はとても安心した。

「理事長。……不束者ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします」

「こちらこそ。游のことをよろしく頼むよ。あと、由衣子さん、これからは私のことを理事長ではなく、お義父さん呼んでください」

「あ、はい……でも」

 游さんと結婚するということは、もちろん長峰理事長が私の義理の父親になるのだけれど、今まで仕事相手としてかかわってきた人をいきなり「お義父さん」だなんて呼べない。

私が戸惑っていると、游さんは助け舟を出してくれた。


「父さん、今日の今日で〝義父と呼べ”だなんてさすがに由衣子ちゃんも困るんじゃないかな。呼んでほしい気持ちはわかるけど、それはまたあとで!」

「なんだ、つまらんな」

 理事長は大げさに残念がって見せながら、悪戯っぽく笑った。

「そういうわけで、父さん。突然来て申訳ありませんでした。僕たちはそろそろ……」

「帰るのか?」

「ええ、ほかにもまだ行かなければならないところがありますので」

 夕飯でも一緒にどうだとおっしゃる理事長に頭を下げて、私たちはまた車に乗り込んだ。この後に何か用事が入っていただろうか。エンジンをかけようとする游さんに私は聞いた。

「あの、游さん。行かなければならないところって、どこですか?」

「もちろん、紘子ちゃんのところ。報告、しなきゃだろ?」

「……ありがとうございます」

 私は游さんにお礼を言い、紘子に電話家かけた。