一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~

「……実は、結花が父と母にありもしない事を吹き込んでいったみたいなんだ」

「結花さんが?」

結花さんといえば、例のピアスの持ち主だ。かわいらしい子だった。永峯理事長もかわいがってるのだろうか。

「結花がいながら僕が別の女性と遊んでいるとかなんとか」

「それで、永峯理事長はなんて?」

「結花がどんな話をしたのかは分からないけれど、かなり怒ってるのか……電話にも出てくれない」

 胸がぎゅっと痛んだ。誤解とは言え、あの温和な理事長が怒っているなんて。

「不安にさせてごめん。でも大丈夫だから。君は何も悪いことはしてないし、僕が愛しているのは由衣子ちゃんだってちゃんと伝えたら父も必ず理解してくれる」

「そうだね。誤解はすぐにでも解かなきゃね」

私は游さんをたぶらかした悪女だって思われているのかもしれない。

でも違う。そうじゃない。この子のためにもちゃんとわかってもらいたい。

私はそっとおなかに手をあてた。するとその手に游さんの大きな手が重なる。

「じゃあ、出発するよ」

 車はゆっくりと走り出した。